ラボに必須といっても良いほどのマイクロピペット。
ラボによってはメーカーで統一していたり、個人の好み、相性等様々です。
こだわりがない方はデザインや、価格、精度等で選ぶでしょう。
そんなときマイクロピペットの販売メーカーが多いので、比較するのが大変ですよね。
そこで、研究員の負担を少しでも楽にするために、販売メーカー12社を一覧にまとめております。
この12社は国内で販売している、国内主要メーカーとなります。
よほどのこだわりがない限りはこの12社で十分かと思います。
マイクロピペットのことをまだあまり知らない方のために【マイクロピペットマンとは】、【基本的な使い方】、【メンテナンス方法】・【チップの選定】に関しても記載しておりますが、すでに製品の比較をしたい方は目次や下記ボタンから飛んで行ってくださいね。
また、マルチチャンネルも比較されたい方機器の更新で検討されている方はこちらの記事でまとめておりますので、参考にしてみてください。
最後には私がおススメするメーカーを紹介しておりますので、是非最後までお付き合いください。
- マイクロピペットとは
- 基本的な使い方
- 製品紹介
- 各社詳細
- 日本ジェネティクス/ディスカバリー プロ 、ディスカバリーコンフォート
- ニチリョー/Nichipet Air、Nichipet Premium
マイクロピペットとは
マイクロピペットは、少量の液体を移動するために使用される研究実験用の器具となります。
主に、細胞、分子、遺伝子などの研究に使用され、液体を移動するために細胞液を少量から大きな量に移動することができます。
基本的な使用される量としては5ml(5000μl)~1μlで使用されます。
それ以上の分注に関しては電動ピペッター等を用いての分注となります。
マイクロピペットの種類は主に下記のタイプがあります。
●手動 容量固定タイプ
●手動 容量可変タイプ(100 µL ~ 1000 µL等)
●特殊ピペット(粘性・揮発性にすぐれたタイプ)
●電動ピペット
●マルチチャンネルピペット 8連タイプ
●マルチチャンネルピペット 12連タイプ
●分注装置(手動・全自動)
基本的な使い方
各パーツの名称
まず、おおまかなマイクロピペットの名称に関してご紹介します。
メンテナンス等の際にパーツの名称がわからないと困るので、目を通しておいてくださいね。
細かい名称やパーツの種類は各メーカーによって異なりますが、おおまかにはこのような呼び方と思っていただければと思います。
分注のコツ
基本的なチップの付け方、吸引・排出方法はニチリョー社がYouTubeで配信しておりますので、
文字で見るよりわかりやすいかと思います。
動画が為になった方はいいねやチャンネル登録お願いします!
基本を踏まえたうえでピペッティングテクニックをご紹介します。
フォワード法
- バッファ、希釈した酸性、薄い酸やアルカリ性水溶液などに適しています。
- チップ内や容器の壁に気泡を生じたり、液体が泡立ったりすることがあります。
手順
- 分注量を設定しロックします。
- ピペットチップをしっかりと装着します。このときにピペットは真っすぐ保ち、ゆっくりと静かに操作しましょう。
- サンプルを吸引・排出し、ピペットチップの内側を濡らします。この操作を何度が行ったあとに吸引してください。
- サンプル排出時はマイクロチューブを10~40度傾けピペットチップの先端を容器の内壁に当てます。その状態でサンプルを排出しましょう。
リバース法
- 気泡、泡立ち、飛び散りなどを防ぐことができます。
- 粘性の高い液体、泡立ちやすい液体の分注に適しています。
- 微量分注を正確に行うことができます。
- 空気置換方式のピペットのテクニックです。
手順
- フォワード法の手順1~2までは同じ。
- プッシュボタンを2段目までずっと押し下げます。
- チップの先端を、サンプルの液面から1cm程度まで浸し、プッシュボタンをゆっくりと戻したあと1秒静止します。その後、ピペットチップをサンプルから引き上げます。
- マイクロチューブを10~40度傾けピペットチップの先端を容器の内壁に当て、プッシュボタンを1段目まで静かに押し下げ分注します。プッシュボタンは最後まで押し込まないでください。チップ内部に少量の試料が残りますが、これは分注しないで下さい。
- チップ内に残ったサンプルは、プッシュボタンを2段階目まで押し込み元の容器に戻しましょう。
リピート法
- リピート法は、同一容量で連続的に繰り返し分注するのに適しています。
- 試験管やマイクロプレートなどへの分注に使用するのがオススメです。
手順
リバース法の手順1~4と同じです。
分注を続ける場合はこの手順を繰り返し行ってください。
リンス法(不均質なサンプルの分注)
- 分注前にサンプルの吸排を行えない場合や、サンプル全てを試験に用いなければならない場合に用います。
- 血液など均質でないサンプルに適しています。
手順
フォワード法の1.及び2.の操作で、チップに血液を吸引します。 乾いたきれいなティッシュペーパーや布を用い、チップをていねいに拭ってください。
引用元:サーモフィッシャー 知らないの?とバカにされないための正しいピペッティング操作とテクニック
- チップの先端を分注済の試薬の中に浸してから、プッシュボタンを1段目まで押し下げます。その際、チップ先端が液面より下にあることを確認して下さい。
- プッシュボタンをゆっくりと放してレディポジションに戻します。チップは試薬で満たされます。チップの先端を溶液に浸したままにしておいて下さい。
- プッシュボタンを1段目まで押し下げ、ゆっくりと放して下さい。
- 3.の操作を、チップの内壁がきれいになるまで繰り返します。
- プッシュボタンを2段目まで押し下げて、チップの内部を完全に空にします。
- プッシュボタンを放して、レディポジションに戻します。
https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/pipetting-guide2/
メンテナンス
ピペットの性能をしっかりと維持するために、定期的にメンテナンスしましょう。
基本的なメンテナンスはご自身でも可能です。
少し手間が掛かりますが、性能を正しく維持するためにもぜひ行いましょう。
パーツは各メーカーによって異なりますので、
ここではおおまかな流れだけ記載しますね。
詳しい方法は各メーカーの取り扱い説明書をご覧ください。
準備するもの
●70%エタノール
●グリス
●ゴム手袋
●キムワイプ
●キムタオル
手順
1:まず安全のためにゴム手袋を装着しましょう
2:容量カウンターを最大値に合わせます
3:チップホルダーやピストン&バネ等を外し分解していきます。
チップホルダーの中にはOリングが入っている場合もありますので、忘れず抜き取りましょう。
抜きにくい場合はプランジャーを使うと取りやすいですよ。
4-1:各パーツの内部清掃を行っていきます。
4-2エタノールを染み込ませたキムワイプ等で各パーツを拭いて綺麗にしていきましょう。汚れがひどいときは超音波洗浄機を使うと汚れが落ちやすくなります。シールリングを変形させると漏水の元になるので、注意が必要です。
5:清掃が完了したら各パーツを組み立てていきましょう。
このときにOリング、シールリング等の内部パーツの向きを間違わないように!
6:組み立てが完了したら次は漏水検査を行います。
6-1:最大容量でチップ内に水を吸い込み、液面にラインを引いたものを準備します。
6-2:水の吸排を繰り返し、ラインから液面が増えたり減ったりしないかを確認します。
この時、チップを深めに差し込みます。溶液を吸い上げないように注意しながら行ってください。
7:問題がなければメンテナンス完了です。
動画で確認したい場合はニチリョーにてメンテナンス動画を出しているので、
参考にしてください。分解や漏水検査のやり方まで紹介してくれていますよ。
チップの選定
チップの選び方に関してはそれぞれマイクロピペットのメーカーによって
装着できる製品とできない製品があります。
チップを販売しているメーカーにてマイクロピペットへの適合表を作成しているメーカーがありますので、チップが合うか合わないかはそちらで判断してください。
各社のチップ適合表はこちらにまとめていますので、参考にしてくださいね。
また、適合表に乗っていないマクロピペットを持っている場合は、チップが合うかわからないので、サンプルで試しましょう。チップの径が合わずはまらない場合もあるので注意。
チップは下記のような種類が主にあります。
それぞれの種類はチップごとに製品をまとめていますので、選定の際は参考にしてください。
●スタンダードチップ
様々なアプリケーションで使われている仕様です。高い精度が要求される試験から、通常の分注まで幅広く対応可能です。
●フィルターチップ
クロスコンタミネーションの影響をうけやすいアッセイや、ピペットを汚染する恐れのあるサンプルの際に効果的です。フィルターがあることで、誤って液体をピペット内部に吸いこんでしまったり、エアロゾルがチップコーン内に侵入したりするのに役立ちます。
●滅菌済みチップ
DNase、RNase、エンドトキシンフリーで、高いレベルの純度が要求されるアプリケーションに使用できます。
●低吸着チップ
タンパクが吸着しにくい仕様になっており、最大限の正確性と精度を発揮することができます。
また、コンタミを防いだり、サンプルや高価な試薬のロスを防ぐのにも効果的です。
●特殊チップ
広口径のチップは高粘度の液体の分注が簡単に簡易になります。また、大型の分子や細胞にダメージを与えずに分注することができます。
製品紹介
ここでは各社の製品の概要を一覧にまとめております。
気になる製品がありましたら、個別詳細ページへどうぞ!
※横に見切れている場合は横スクロールしてご覧ください。
SHIFTを押しながら、マウスのホールをまわしてもらうと横スクロールが簡単にできます。
マウスにホイールがない方は、マウスパッドを二本指で触りながら横に動かしてみてくださいね。
※精度に関しては容量によって異なりますので、ここでは200μlの最大容量で測定した場合の値を記載いております。
メーカー | GILSON | エッペンドルフ | DLAB | BM機器 | レイニン | サーモフィッシャー |
シリーズ | ●ピペットマン ●Lシリーズ | ●Research® plus ●Reference 2 | ●シングルチャンネル マイクロピペット ●Hipette | ●PipetPAL ●PipetPALplus | ●汎用タイプSL ●専用タイプLTS | ●ClipTip ●Finnpipette |
価格帯 | \42,000 ≀ ¥45,000 | \46,800 ≀ ¥49,200 | \8,400 | \27,500 ≀ ¥31,500 | 問い合わせ | \41,300 ≀ ¥47,000 |
販売容量 | 2μl ≀ 10ml | 2.5μl ≀ 10ml | 2.5μl ≀ 10ml | 2μl ≀ 10ml | 2μl ≀ 20ml | 2μl ≀ 5ml |
ストローク | ●ピペットマン →なめらか ●Lシリーズ →軽い | ●Research® plus →エアークッション採用 ●Reference 2 →エアークッション採用 | ●シングルチャンネル マイクロピペット →記載なし ●Hipette →記載なし | ●PipetPAL →非常に軽い ●PipetPALplus →記載なし | ●汎用タイプSL →低反発スプリング ●専用タイプLTS →低反発スプリング | ●ClipTip →軽い ●Finnpipette →軽い |
精度(%) | ●ピペットマン →≦ 0.30 µL ●Lシリーズ →≦ 0.30 µL | ●Research® plus →±0.4 µL ●Reference 2 →±0.4 µL | ●シングルチャンネル マイクロピペット →±1.0% ●Hipette →±2.5%(200μ時の 最小容量の場合) | ●PipetPAL →±0.2% ●PipetPALplus →±0.2% | ●汎用タイプSL →1 % / 0.2 µL ●専用タイプLTS →1 % / 0.2 µ | ●ClipTip →不正確/0.6%、不正密度/0.2% ●Finnpipette →不正確/0.6%、不正密度/0.2% |
マルチチャンネル ピペット | 8連ピペット 12連ピペット | 8連ピペット 12連ピペット | 8連ピペット 12連ピペット | 8連ピペット 12連ピペット | 6連ピペット 8連ピペット 12連ピペット | 8連ピペット 12連ピペット 16連ピペット |
電動ピペット | ピペットマンMシリーズ | ・Eppendorf Xplorer® ・Eppendorf Xplorer® plus | 電動ピペット dPette | ・BM-MPA電動ピペット ・エクセル電動ピペット | ・LTS電動シングルピペット ・汎用電動シングルピペット | E1-ClipTip 電動ピペット |
キャンペーン なりやすい:○ あまりならない:× | ○ 主に1月~3月 | ○ 主に1月~3月 | ○ 主に1月~3月 | ○ 主に1月~3月 | ○ 不定期 | ○ 主に1月~3月 |
オススメ度 | 価格★★☆☆☆ 校正★★★★☆ 総評★★★★☆ | 価格★★☆☆☆ 校正★★★★☆ 総評★★★★☆ | 価格★★★★☆ 校正★★☆☆☆ 総評★★★☆☆ | 価格★★★☆☆ 校正★★★☆☆ 総評★★★☆☆ | 価格★★☆☆☆ 校正★★★★☆ 総評★★★★☆ | 価格★★☆☆☆ 校正★★★★☆ 総評★★★★☆ |
参考URL | ピペットマン | エムエス機器株式会社 (technosaurus.co.jp) | Eppendorf Research® plus – 手動ピペット – Eppendorf 日本 | 【DLAB】商品一覧 【AXEL】 アズワン (as-1.co.jp) | BM – ピペット/シングル/ マニュアル – BIO (bmbio.com) | 手動シングルチャンネルピペット| Pipet-Lite XLS+| レイニン (mt.com) | シングルチャンネルピペット | Thermo Fisher Scientific – JP |
メーカー | ザルトリウス | ワトソン | グライナー | コーニング | 日本ジェネティクス | ニチリョー |
シリーズ | ●Tacta ●mLine | ●NEXTY-S | ●Sapphire | ●Lambda | ●ディスカバリー プロ ●ディスカバリーコンフォート | ●Nichipet Air ●Nichipet Premium |
価格帯 | 問い合わせ | \18,000 | 問い合わせ | \25,400 ≀ ¥27,700 | \26,000 ≀ ¥29,500 | \34,000 ≀ ¥41,500 |
販売容量 | 3μl ≀ 10ml | 2μl ≀ 5ml | 2μl ≀ 10ml | 2μl ≀ 1000μl | 2μl ≀ 10ml | 2μl ≀ 10ml |
ストローク | ●Tacta →軽い ●mLine →とても軽い | 極めて軽い ストローク | 記載なし | 軽い | ●ディスカバリー プロ →軽い ●ディスカバリーコンフォート →軽い | ●Nichipet Air →軽い ●Nichipet Premium →軽い |
精度(%) | ●Tacta →0.6% ●mLine →0.6% | ±0.8% | ± 0.8% | ±1.2% ≀ ±0.6% | ●ディスカバリー プロ →±0.6% ●ディスカバリーコンフォート →±0.6% | ●Nichipet Air →±0.6% ●Nichipet Premium →±0.8% |
マルチチャンネル ピペット | 8連ピペット 12連ピペット | 8連ピペット | 8連ピペット 12連ピペット | 8連ピペット 12連ピペット | 8連ピペット 12連ピペット | 8連ピペット 12連ピペット |
電動ピペット | ・Picus | 販売なし | 販売なし | 販売なし | 販売なし | 販売なし |
キャンペーン なりやすい:○ あまりならない:× | ○ 主に10月~12月 | ○ 主に1月~3月 | ○ 不定期 | ○ 不定期 | ○ 主に1月~3月 | ○ 主に11月~2月 |
オススメ度 | 価格★★☆☆☆ 校正★★★★☆ 総評★★★☆☆ | 価格★★★★☆ 校正★★★★☆ 総評★★★★☆ | 価格★★☆☆☆ 校正★★★☆☆ 総評★★★☆☆ | 価格★★★☆☆ 校正★★☆☆☆ 総評★★★☆☆ | 価格★★★☆☆ 校正★★☆☆☆ 総評★★★☆☆ | 価格★★★☆☆ 校正★★★☆☆ 総評★★★☆☆ |
参考URL | 手動ピペット|人間工学|Tacta® |ザルトリウス (sartorius.com) | ピペッター | WATSON・深江化成 | シングルチャネルピペッター – Greiner Bio-One (gbo.com) | Corning® Lambda™(ラムダ) プラスピペッター | Corning | ディスカバリーコンフォート ピペットシリーズ| 日本ジェネティクス 株式会社 製品検索 (n-genetics.com) | 製品情報 | 分注器・ピペットの製造・ 販売 株式会社ニチリョー NICHIRYO |
※情報は2023年1月時点となります。
※ストロークの軽さに関しては人によって感じ方が異なりますので、予めご了承ください。
気になる製品は下記ボタンから各社詳細ページへ飛んでください。
各社詳細
GILSON/ピペットマン、Lシリーズ
ピペットマンは今まで、従来の重量感のあるPシリーズやNEO、Gタイプがなくなり、
Pシリーズの形状はそのままに重量が軽くなり、ストロークがなめらかになったピペットマン
ハイエンドモデルのLシリーズ
電動ピペットのMシリーズとなります。
特徴
ピペットマン
●世界最高レベルの性能
●操作性重視のデザイン
●超微量~大容量までの幅広いレンジ
●容量連続可変
●容量範囲:0.2μl~10ml
ピペットマンL
●Gilson 史上最軽量 人間工学に基づく持ちやすいボディ
●本体・ストローク・イジェクト、いずれも超軽量で多検体に最適
●設定容量ロック機能
●オートクレーブ対応
●位置調整可能なチップイジェクターで右利き、左利きにも対応
●容量範囲:0.2μl~10ml
校正サービス
エッペンドルフ/Research® plus、Reference 2
日本ではもちろん、世界でもトップシェアを誇るピペットメーカー。
超軽量で、女性の方でも扱いやすく、エアクッションを採用することで、ストロークの負担が軽減。
連続分注でも負担軽く、昔から愛され続けている老舗メーカーです。
特徴
Research® plus
●人間工学的(安全で使いやすい道具)なメカニカルピペット
●驚異的に軽く、重量とピペッティング力の両方の点で大いに役に立つ
●SelectScience®の「Seal of Quality」を受賞
●容量範囲:0.1μl~10ml
Reference 2
●迅速で人間工学的なシンプルボタン操作
●パーツ分解が簡単でメンテナンスがしやすい
●フルオートクレーブ可能
●疲れない人間工学的ピペッティング
●チップの取り付けが簡単
●チップ排出がより楽に
●容量範囲:0.1μl~10ml
校正サービス
DLAB/シングルチャンネル マイクロピペット,Hipette
とても安価でコストパフォーマンスに優れたピペット。
なるべく価格を抑えたい方におすすめのピペットです。
適合チップがビオラモ/サクラチップやアイビスピペットチップとなるので、注意が必要です。
特徴
シングルチャンネル マイクロピペット
●デジタル表示で、容量設定が正確
●片手での操作性に優れている
●ヘッド部のオートクレーブ滅菌が可能
●容量範囲:0.1μl~10ml
Hipette
●本体重量約71gと軽く、長時間使用や反復使用による疲労の大幅に低減
●手にフィットしやすいラウンドフォルム
●容量設定ロック機構付き
●ボディには耐薬品性に優れ、割れにくいポリプロピレン樹脂を採用
●容量範囲:0.1μl~1000μl
校正サービス
BM機器/PipetPAL、PipetPALplus
比較的安価な価格設定で、キャンペーン対象にもなりやすいため、コストパフォーマンスが〇。
マルチチャンネルピペットや電動ピペットも販売しているので、ラボのニーズに安価で応えることが可能。
特徴
PipetPAL
●ピストンが非常に軽く、ピペッティングに必要な力を軽減
●2種類の容量設定が可能
●オートクレーブ滅菌可能
●容量範囲:0.5μl~5ml
PipetPALplus
●フィンガーレストデザインにより、長時間の使用により疲労間とストレスを低減
●360度イジェクターにより、ハンドルがどの方向を向いていてもチップをイジェクトすることが可能
●オートクレーブ滅菌可能
●容量範囲:0.5μl~10ml
校正サービス
レイニン/汎用タイプSL、専用タイプLTS
世界トップシェアを誇るメーカーです。汎用タイプと専用タイプがありますが、
世界では専用のLTSとそのチップが使えないならと作業したくないと言わるほどに人気です。
一度使ったら戻れないピペットをぜひ一度お試しください。
特徴
汎用タイプSL
●人間工学に基づいた最高の性能
●快適性、正確性そしてコントロール性能の高さ
●GLP/GMP 準拠と機器管理
●洗浄とオートクレーブ滅菌が簡単
●容量範囲:0.1μl~10ml
専用タイプLTS
●人間工学に基づいた最高の性能
●快適性、正確性そしてコントロール性能の高さ
●GLP/GMP 準拠と機器管理
●洗浄とオートクレーブ滅菌が簡単
●使用可能チップはLiteTouchシステムLTSのみ
●容量範囲:0.2μl~20ml
校正サービス
サーモフィッシャー/ClipTip、Finnpipette
あらゆるピペットハンドリングに対応することが可能。バリエーション豊富なピペットで
ラボのあらゆるニーズに応えることができます。
特徴
ClipTip
●軽いタッチでチップを固定
●すべてのチャンネルで完全な密封性
●正確なサンプル量を維持
●一貫性と再現性のあるピペット操作
●使用可能チップはClipTip ピペットチップのみ
●容量範囲:2μl~1000μl
Finnpipette
●きわめて軽量
●軽い力で吸引および取り外し操作ができるため負担を軽減
●人間工学に基づく快適さ
●120° 調整可能なフィンガーレストで右利き、左利きの両方に対応
●容量範囲:0.5μl~5ml
校正サービス
ザルトリウス/Tacta、mLine
使いやすさと精度の高さから多くの研究者に愛されてきたピペット。
スタイリッシュでありながら実用的なデザインで高く評価されています。
特徴
Tacta
●片手で簡単にロックのオン・オフが可能
●長時間でも快適かつ正確にピペッティングできるデザイン
●4桁の容量表示で正確なボリューム設定が可能
●プッシュボタンが軽く、手のRSI(反復運動損傷)リスクを軽減
●分解せずにまるごとオートクレーブ可能
●容量範囲:0.1 µl~10ml
mLine
●軽いピペット操作で高精度を実現
●数々の特許を組み合わせた画期的な製品
●非常に軽いストロークにより腱鞘炎の負担を軽減
●優れたチップのフィッティングが可能
● 専用工具を使わずに簡単に分解、組み立てが可能
●容量範囲:0.1μL~10ml
校正サービス
ワトソン/NEXTY-S
国内メーカーとして人気が高い製品。
国内メーカーだからできる安価な価格設定とサービスで、多くの研究者に使われています。
販売は手動のシングルピペット、8連マルチピペットのみとなっておりますので、
電動ピペットや12連マルチピペットを希望の方には要望にお応えができません。
特徴
NEXTY-S
●容量設定が早く、3倍速ターボダイアルで楽に設定可能
(容量可変モデル、マルチタイプ、オートクレーブモデル)
●薄型プッシュボタンで、押しやすく、疲れにくい
(容量可変モデル、マルチタイプ)
●キノコ型プッシュボタンで大きく操作しやすい
(オートクレーブモデル、容量固定モデル)
●容量範囲:0.2µL~5000µL
校正サービス
グライナー/Sapphire
特徴
●人間工学に基づいた形状と最高の性能
●本体が軽くストロークが軽いため、女性方でも安心して使用可能
●エジェクターレバーが3段階に動くため、右利き・左利きを問わず使いやすい
●容量範囲:0.2μl~10ml
校正サービス
自社での対応は行っておりませんので、他社メーカーで点検するか、点検サービスに出す必要があります。
コーニング/Lambda
特徴
●工場出荷時に ISO 8655に準拠するキャリブレーション済み
●オートクレーブが可能、UV耐性あり
●主要なブランドのピペットチップと適合
●チップイジェクターの調整可能
●軽いストロークとピペッティングの負担を軽減
●容量ロック機能
●容量範囲:0.1μl~1000μl
校正サービス
日本ジェネティクス/ディスカバリー プロ 、ディスカバリーコンフォート
https://www.n-genetics.com/products/search/?product_group_id[]=80
キャンペーンを多く行っており、安価で購入しやすい。
さらにECGoingからの注文でずっと安価で購入可能。
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特徴
ディスカバリー プロ
●人間工学に基づく設計で長時間でも疲れにくい
●4桁のカウンター表示
●オートクレーブ滅菌対応、紫外線耐性
●容量ロック機能付き
ディスカバリーコンフォート
●人間工学に基づく設計で長時間でも疲れにくい
●オートクレーブ滅菌対応、紫外線耐性
●容量ロック機能付き
●軽いストロークでピペッティング時の負担軽減
校正サービス
ニチリョー/Nichipet Air、Nichipet Premium
国内メーカーとして人気の製品。
国内製造、国内での校正サービスにより安心・安定したサービスを提供。
ドリームバンクへ登録すると購入・校正をするとポイントが溜まり、
ポイント交換やその他のサービスで利用することが可能。
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特徴
Nichipet Air
●専用の治具により容量設定が簡単
●従来品のピペッティング負担を70%軽減
●人間工学に基づたデザインで、手のフィット感が向上
●本体丸ごとオートクレーブ可能
●本体重量が70gのため、女性でも安心して使用可能
●容量モデルごとの色分けで、区別が簡単0ml
●容量範囲:0.1μl~10ml
Nichipet Premium
●大きなカウンターディスプレイにより視認性向上
●壊れにくく、製品保証は5年間
●耐薬性と落下耐久性に優れた材質をボディに使用
●特許取得の【ピペッティング時に手の温度による精度変化が生じにくい構造】を採用。
●ノングリスでメンテナンスが簡単
校正サービス
おすすめメーカー
たくさん紹介してきましたが、ここでは営業目線でのオススメメーカーを2社紹介します。
GILSON・エッペンドルフ製品
ピペットの性能としては各社ISOの基準をクリアしているため、大きな差はありません。
しかし、この2社はISOの合格基準より厳しい合否基準を自社で設けているため、より精度や正確性が高くなっています。
より高度で繊細なピペッティングが必要な実験にはこの2社が必須と言えるでしょう。
製品の価格に関しても厳しい基準をクリアしているため、他のメーカーよりも高くなっています。
サーモフィッシャー・ワトソン社
この2社に特筆すべきは点検サービスの点です。
他のメーカーと比べ点検サービスがかなり安いです。
・GILSON:\7,500~\9,800/1本
・サーモフィッシャー:\4,100/1本 検定回数/点検後のみ1回
・ワトソン:\2,000/1本 エコノミークラスの場合
さらにサーモフィッシャー、ワトソンは自社・他社問わずですので、魅力的ですよね。
点検は毎年行う方も多いと思います。そこでのランニングコストはバカにならないので、
検討の際は注意したいところです。
また、マイクロピペットに必要なマイクロチューブもまとめています。
こちらも合わせて参考にしてみてくださいね!
まとめ
今回はマイクロピペットに関して12社を徹底比較してきました。
ピペットは学生時代から使っていたから、他のピペットを使ったことがなかったり、
ラボで使用するピペットが統一されていたりと、様々だとおもいます。
昨今のピペットは軽くて、ストロークも楽な製品がトレンドとなっていますので、
他メーカーを比較しても大きな差がないのが現状です。
しかし、手に合ったピペットを選ぶことで、より作業が楽になりますので、
気になるメーカーがあれば、デモで試してみてくださいね。
マイクロピペットは自身でのメンテナンスも必須ですが、メーカーへ校正依頼も年に一度定期的に出したいところです。
各社のピペット校正依頼に関してサービス内容から依頼書までダウンロードできますので、
こちらも参考にしてくださいね。
これからも試薬・消耗品、機器類、受託サービス等まとめ比較していきますので、
よかったらブックマークをお願いします。
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